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ダルトフォーム vs アクアフォーム|断熱性能の違いを比較、どっちを選ぶ?【2026年版】

工務店の仕様書に、断熱材はダルトフォームと書いてある。調べてみると、ネットで見かけるのはアクアフォームの話ばかり。ダルトフォームは大丈夫なのか、アクアフォームに変えたほうがいいのか。そんな不安から検索している方が多いのではないでしょうか。

私も中古戸建てのリノベーションで断熱材を選んだとき、吹付け断熱の製品名がいくつも出てきて戸惑いました。カタログの言葉はどれも似ていて、違いが見えにくいんです。

先にお伝えすると、ダルトフォームとアクアフォームの標準品は、どちらも水で発泡させる連続気泡の吹付け硬質ウレタンフォームで、JISの区分も同じA種3です。素材としての性能差はごくわずかで、実際の断熱性能を左右するのは、吹き付ける厚みと施工の丁寧さです。新築でもリノベでも、この判断軸は変わりません。数字の意味を一つずつ暮らしの言葉に置き換えながら、どこで差が出るのかを整理していきます。

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ダルトフォームとアクアフォーム、そもそも何が違う?

いちばん大きな違いは、つくっている会社と施工の体制です。ダルトフォームは、アメリカの化学メーカーであるハンツマンが開発した製品で、アクアフォームは日本アクアの製品です。素材の種類は同じで、数字の差はわずかです。

吹付け断熱は、2種類の液体を現場で混ぜて壁や天井に吹き付け、その場で泡のように膨らませる断熱材です。膨らみながら柱や配管のまわりの隙間に入り込むので、袋入りの断熱材をはめ込む方法より隙間ができにくいのが特長です。ダルトフォームもアクアフォームも、発泡にフロンではなく水を使う点で共通しています。

JISの規格では、吹付け硬質ウレタンフォームは性能によってA種1からA種3などに区分されています。ダルトフォームの資料でも、アクアフォームの公式サイトでも、標準品はA種3と示されています。同じ区分の中での比較だと考えると、全体像がつかみやすくなります。

主な違いを一覧にしました。

daltofoam_vs_aquafoam 比較表
比較項目 ダルトフォーム アクアフォーム
メーカー ハンツマン 日本アクア
JISの区分 A種3 A種3
発泡の方法 水発泡、ノンフロン 水発泡
気泡の構造 連続気泡 連続気泡
熱伝導率 0.034W/(m・K) 0.033W/(m・K)
透湿率 14.5ng/(m・s・Pa) 15.0ng/(m・s・Pa)
同じ会社の別製品 HFO発泡のHEATLOK HFO、主にコンクリート建物向け 独立気泡のアクアフォームNEO、熱伝導率0.020

ダルトフォームの数値は販売代理店の資料、アクアフォームの数値は日本アクア公式サイトの基本物性です。いずれもJIS A 9526に基づく値です。

断熱性能の差は?

熱伝導率は、ダルトフォームが0.034、アクアフォームが0.033です。数字が小さいほど熱を通しにくい素材なので、アクアフォームがわずかに有利ですが、その差は約3%にとどまります。

熱伝導率とは、厚さ1mの材料の両面に1℃の温度差があるとき、1時間に1㎡あたりどれだけの熱が通るかを示す値です。素材そのものの熱の通しやすさなので、実際の壁の断熱性能は、この値と厚みの組み合わせで決まります。

厚みに置き換えると、差の小ささが実感できます。アクアフォームを100mm吹き付けたのと同じ断熱性能をダルトフォームで得るには、約103mmの厚みが必要です。差は3mmほど。吹付け断熱は現場で厚みを調整するので、この程度の差は施工の段階で十分に吸収できます。

むしろ注意したいのは、厚みのばらつきです。吹付け断熱は職人が手作業で吹き付けるため、場所によって厚みに差が出ることがあります。どちらの製品を選ぶにしても、施工後に厚みを検査しているか、薄い部分を補修しているかのほうが、3%の素材差よりずっと大きく効いてきます。

正直に言って、ダルトフォームかアクアフォームかで性能を比べる意味は、あまりありません。比べるべきは、同じ製品名の中の標準品と上位品の違いです。

連続気泡と独立気泡の違いは?

吹付け断熱の性能を大きく分けるのは、メーカーではなく気泡の構造です。ダルトフォームとアクアフォームの標準品は連続気泡、アクアフォームNEOは独立気泡です。

連続気泡は、泡の一つひとつがつながっていて、中に空気が入っている構造です。やわらかく、軽く、材料の使用量が少ないので価格を抑えやすい一方、湿気を通しやすい性質があります。

独立気泡は、泡の一つひとつが閉じていて、中に熱を通しにくいガスを閉じ込めた構造です。硬く、湿気を通しにくく、同じ厚みでも断熱性能が高くなります。

数字で見ると差ははっきりしています。アクアフォームNEOは、独立気泡のA種1Hで、熱伝導率は0.020です。標準のアクアフォームの0.033と比べると、同じ性能を約6割の厚みで出せる計算です。アクアフォームを100mm吹いたのと同じ性能が、NEOなら約61mmで済みます。密度は標準品の14kg/㎥に対して35kg/㎥と、2倍以上の材料を使っています。

柱の太さで壁の厚みが決まっている木造住宅では、この違いが効いてきます。たとえば柱が105mmの家で断熱等級を上げたい場合、連続気泡では厚みが足りなくても、独立気泡なら同じ壁の中で性能を上げられることがあります。

ハンツマンにも、HFOという発泡剤を使ったHEATLOK HFOという製品があります。ただし公式サイトでは、主にコンクリートの建物での施工を想定した説明になっていて、木造戸建て向けの製品として案内されているのはダルトフォームです。ダルトフォームの施工会社で、より薄く高い断熱性能を求めるなら、使える上位の製品があるかを相談してみてください。

日本アクアにはもうひとつ、植物由来の原料を使ったアクアフォームLITEもあります。熱伝導率は0.036で、標準品より少し性能を抑えて環境負荷を下げた位置付けです。見積もりに書かれた製品名が、標準品、NEO、LITEのどれなのかは、必ず確認してください。

結露と防湿層はどう考える?

A種3の吹付け断熱は、省エネ基準上、室内側に防湿層が必要とされています。ダルトフォームもアクアフォームもA種3なので、この点は同じです。

防湿層とは、室内の湿気が壁の中に入り込まないようにするための、ポリエチレンフィルムなどの層です。冬に暖かく湿った室内の空気が壁の中に入ると、外側の冷たい部分で結露し、柱や土台を傷める原因になります。

アクアフォームの公式サイトでは、A種3は室内側に防湿層が必要だが、条件を満たせば省略できる規定がある、と説明されています。透湿率を見ると、アクアフォームが15.0、ダルトフォームが14.5で、湿気の通しやすさもほぼ同じです。

ここで独立気泡との違いがまた出てきます。アクアフォームNEOの透湿率は1.5と、標準品の10分の1です。湿気をほとんど通さないので、防湿の面では有利です。

吹付け断熱は隙間ができにくいぶん、防湿層を省いてしまう現場もあると聞きます。寒冷地や、室内で加湿器をよく使う家では、防湿の設計を施工会社にきちんと説明してもらうと安心です。

施工体制と価格はどう違う?

価格はどちらもメーカーの公表価格がなく、施工会社の見積もりで決まります。同じ連続気泡のA種3なので材料の差は大きくなく、価格を左右するのは、吹き付ける面積と厚み、そして施工会社です。

アクアフォームは、現場発泡の硬質ウレタンフォームで国内トップシェアをうたっていて、施工会社の数が多いのが強みです。ダルトフォームは、ハンツマンの製品を代理店や施工会社が扱う形で、JIS認証を取得しています。ハンツマンの公式サイトでは、30坪から40坪程度の家なら最短1日から2日で施工が終わると説明されています。

新築の場合は、住宅会社が普段使っている製品を選ぶと、施工に慣れた職人が担当するので品質が安定しやすくなります。仕様書のダルトフォームをアクアフォームに変えても、性能はほとんど変わらず、施工会社が変わることのほうが影響は大きいかもしれません。

見積もりを比べるときは、製品名だけでなく、次の3点を同じ条件にそろえて比べると判断を誤りません。

  • 部位ごとの吹付けの厚みです。同じ製品でも厚みが違えば断熱性能はまったく変わるからです。
  • 施工後の厚みの検査方法です。厚みのばらつきが、実際の断熱性能を左右するからです。
  • 防湿層の扱いです。結露のリスクと、別途費用がかかるかに関わるからです。

断熱リフォーム全体の費用感は、断熱リフォーム費用相場の記事で部位ごとに整理しています。

新築で選ぶ場合とリフォームで選ぶ場合の違い

新築では、ダルトフォームかアクアフォームかより、目標の断熱等級に合わせて厚みと気泡の種類を決めることが大切です。リフォームでは、そもそも吹付け断熱ができる状態かどうかが最初の関門になります。

新築で選ぶ場合は、柱の太さと目標の断熱等級から逆算します。連続気泡で必要な厚みが取れるなら、ダルトフォームでもアクアフォームでも性能に大差はありません。厚みが足りない場合は、独立気泡のNEOのような高性能品を検討するか、外側にも断熱材を足す付加断熱を相談します。

リフォームで選ぶ場合は、次の順番で考えます。

  1. 壁や天井を剥がす工事かどうかを確認します。理由は、吹付け断熱は柱の間が見える状態でないと施工できないからです。
  2. 既存の断熱材を撤去する必要があるかを確認します。理由は、古いグラスウールが残っていると、撤去と処分の費用が上乗せされるからです。
  3. 床下から施工できる部位を検討します。理由は、床下の断熱は、床を剥がさずに下から吹き付けられる場合があるからです。
  4. 補助金の対象製品かを確認します。理由は、断熱リフォームの補助事業では、登録された製品でないと対象にならないからです。

吹付け断熱と繊維系の断熱材を比べたい方は、アクアフォームとグラスウールの比較記事や、アクアフォームとロックウールの比較記事も参考にしてください。スケルトンリノベーションのように壁を大きく剥がす工事なら、吹付け断熱は隙間をなくす意味で有力な選択肢です。

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あなたに合うのはどっち?

5つの軸で比べると、ダルトフォームとアクアフォームの標準品はほぼ横並びで、差をつけているのは独立気泡のNEOだと分かります。

daltofoam_vs_aquafoam 評価バッジ

評価は、各社の公表値をもとにした当サイトの整理です。価格は施工会社によって変わります。

こんな人はダルトフォームで問題ない

  • 住宅会社の標準仕様がダルトフォームの人です。アクアフォームとの素材の差は約3%で、厚みで十分に補えるからです。
  • 施工に慣れた職人に任せたい人です。住宅会社が普段使っている製品のほうが、施工品質が安定しやすいからです。
  • ノンフロンの断熱材を選びたい人です。水を使って発泡させる製品だからです。

こんな人はアクアフォームがおすすめ

  • 施工会社を自分で探して比べたい人です。国内トップシェアで、扱う施工会社が多いからです。
  • 壁の厚みが限られていて、断熱性能を上げたい人です。同じシリーズに独立気泡のNEOがあり、熱伝導率0.020で薄く高性能にできるからです。
  • 環境負荷を重視したい人です。植物由来の原料を使ったLITEという選択肢もあるからです。

ダルトフォームかアクアフォームかで迷ったら、製品名より、吹き付ける厚みと検査の方法を見積もりで確認するところから始めてください。そのうえで、壁の厚みが足りないなら独立気泡の製品を、同じ条件で見積もって比べるのが近道です。

よくある質問

Q. ダルトフォームとアクアフォームは、どちらが断熱性能が高いですか?
A. 熱伝導率はダルトフォームが0.034、アクアフォームが0.033で、アクアフォームがわずかに有利です。ただし差は約3%で、アクアフォーム100mmと同じ性能をダルトフォームなら約103mmで得られる程度です。実際の性能は吹き付ける厚みと施工の丁寧さで決まります。

Q. ダルトフォームは品質に問題ありませんか?
A. ダルトフォームは、アメリカの化学メーカーであるハンツマンが開発した製品で、JIS認証を取得しています。標準品はアクアフォームと同じA種3の区分です。品質の差は、製品よりも施工会社の技術や検査の体制に表れやすいと考えてください。

Q. アクアフォームとアクアフォームNEOの違いは何ですか?
A. アクアフォームは連続気泡のA種3で熱伝導率0.033、NEOは独立気泡のA種1Hで熱伝導率0.020です。NEOは同じ性能を約6割の厚みで出せ、湿気も通しにくい一方、材料の密度が高く、価格は上がる傾向があります。

Q. 吹付け断熱にすると、防湿シートはいらないのですか?
A. A種3の吹付け断熱は、省エネ基準上、原則として室内側に防湿層が必要とされています。条件を満たせば省略できる規定もあるため、防湿の設計がどうなっているかを施工会社に確認してください。

Q. 中古住宅のリフォームで吹付け断熱はできますか?
A. 壁や天井を剥がして柱の間が見える状態にすれば施工できます。床下は、床を剥がさずに下から吹き付けられる場合もあります。既存の断熱材の撤去費用がかかることがあるため、現地調査で確認してください。

どちらの製品を選ぶにしても、最初の一歩は複数社の比較から
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てけ
数年前に中古戸建を購入し、リノベーションを実施。 その際に得た知識や経験をもとに、これからリフォームやリノベーションを検討される方に向けて情報発信しています。
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