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第1種換気 vs 第3種換気の違い|熱交換と費用を比較、どっちを選ぶ?【2026年版】

仕様の打ち合わせで、換気は第1種にしますか、第3種にしますかと聞かれて言葉に詰まった。見積もりを見ると第1種のほうがずいぶん高い。でも熱交換で省エネになるとも聞く。結局どちらが正解なのか分からないまま、検索にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

換気は、窓や断熱材と比べて後回しにされがちな設備です。完成してしまえば目に入らず、ショールームで触って比べることもできません。ところが住み始めてから、給気口の下が寒い、フィルター掃除が続かないといった形で、毎日の暮らしにじわじわ効いてきます。

第1種と第3種の違いは、外の空気を機械で入れるか、壁の穴から自然に入れるかです。そして第1種の多くには、捨てる空気の熱を回収する熱交換の機能がついています。新築でもリノベでも、この判断軸は変わりません。差が出るのは冬の体感と初期費用、そして手入れの手間です。数字を暮らしの言葉に置き換えながら、順に整理していきます。

間取りプランの比較で、家づくりの総額は変わる!

第1種換気と第3種換気、そもそも何が違う?

第1種換気は給気も排気も機械で行う方式、第3種換気は排気だけを機械で行い、給気は壁の給気口から自然に取り入れる方式です。空気を入れる側にファンがあるかどうか。違いの出発点はここだけです。

そもそも、なぜ家に換気設備が必要なのでしょうか。建材や家具から出る化学物質によるシックハウス対策として、改正建築基準法が平成15年7月1日に施行されました。国土交通省の資料では、住宅には換気回数0.5回/h以上の機械換気設備、いわゆる24時間換気システムの設置が必要とされています。換気回数0.5回/hとは、1時間で部屋の空気の半分が入れ替わるという意味です。

つまり、今の家は2時間に1回、家じゅうの空気を外の空気と入れ替え続けています。冬ならその分だけ冷たい空気が入り、暖めた空気が出ていく。この出入りをどう扱うかが、第1種と第3種の分かれ目です。

第3種換気では、トイレや洗面所などの排気ファンが空気を外に出し、室内の気圧がわずかに下がった分だけ、各部屋の給気口から外気が入ってきます。仕組みが単純で、機械は排気側だけです。

第1種換気は、給気と排気の両方をファンで動かします。空気の通り道を機械で決められるので、換気量と経路を計画どおりにしやすいのが特長です。さらに、熱交換器を組み込めば、出ていく空気の熱を入ってくる空気に移せます。第1種を選ぶ理由のほとんどは、この熱交換にあります。

主な違いを一覧にしました。

kanki_1shu_vs_3shu 比較表
比較項目 第1種換気、熱交換つき 第3種換気
給気 機械 自然、壁の給気口から
排気 機械 機械
熱交換 できる できない
冬の給気温度の例 約16℃、温度交換効率80%の場合 ほぼ外気温のまま
初期費用 高い 抑えやすい
お手入れ 給気と排気のフィルター、熱交換素子 給気口のフィルター、排気ファン
リフォームでの入れやすさ ダクト式は天井裏の空間が必要、ダクトレスは壁の穴で対応 入れやすい
みらいエコ住宅2026 エコ住宅設備の対象 対象の設備に含まれない

給気温度は外気0℃、室温20℃の場合の計算例です。なお、給気だけを機械で行う第2種換気もありますが、パナソニックの解説でもクリーンルーム向けとされていて、住宅で選択肢になることはほぼありません。

熱交換で冬の寒さと暖房費はどれだけ変わる?

外が0℃、室内が20℃のとき、第3種換気では0℃に近い空気がそのまま入ってきますが、温度交換効率80%の熱交換換気なら約16℃まで温めてから入れられます。体感に直結するのは、この給気温度の差です。

熱交換とは、出ていく室内の空気と入ってくる外の空気を、薄い仕切りを挟んですれ違わせ、熱だけを受け渡す仕組みです。空気そのものは混ざりません。温度交換効率は、室内と外の温度差のうち何割を回収できるかを示す数値で、80%なら20℃の差のうち16℃分を取り戻せる計算になります。

メーカーの公表値を見ると、三菱電機はロスナイセントラル換気システムについて約5割から8割の熱エネルギーを回収できると説明しています。ダイキンの住宅用全熱交換器ユニット、ベンティエールは温度交換効率90%をうたっていて、これはJIS B 8628に準拠した値です。パナソニックも熱交換気の説明で、温度交換効率80%の場合を例に挙げています。製品によって幅はありますが、8割前後がひとつの目安です。

では、換気で逃げる熱はどのくらいでしょうか。延床面積がおよそ120㎡、天井高2.4mの家で試算してみます。家の中の空気の量は約288㎥。0.5回/hの換気なら、1時間に144㎥の空気が入れ替わります。空気1㎥を1℃温めるのに必要な熱はおよそ0.35Whなので、温度差が20℃なら、換気だけで約1,000Wの熱が逃げ続けることになります。

これは小さな電気ストーブ1台分。つけっぱなしのストーブの熱を、そのまま外に捨てているのと同じです。

熱交換効率が80%なら、逃げる熱は約200Wまで減ります。差は約800W。数字のインパクトは大きいのですが、ここで冷静になりたい点があります。エアコンは1の電気で数倍の熱をつくれるので、800Wの熱を補うのに必要な電気はその数分の一です。仮にエアコンの効率を4倍、電気代の目安単価を31円/kWhとして、この温度差が1日中、120日続いたと多めに見積もっても、暖房費の差は年間1万8,000円ほどです。温暖な地域では、実際の差はもっと小さくなります。

しかも第1種は給気側にもファンがある分、換気そのものの電気代は増えます。パナソニックの解説でも、第1種換気は月々の電気代がほかの方式よりかかりやすいと明記されています。

正直に言って、暖かい地域で電気代だけを理由に第1種を選ぶと、初期費用の差を取り戻すのは簡単ではありません。熱交換の価値は、光熱費より体感にあります。給気口の近くに座っても足元がスースーしない。寝室の枕元に冷気が落ちてこない。この快適さにお金を払うかどうか、と考えると判断しやすくなります。寒冷地のように温度差の大きい期間が長い地域では、省エネの効果も体感の差も大きくなるので、第1種の優先度は上がります。

熱交換には、温度だけを受け渡す顕熱交換と、温度と湿度の両方を受け渡す全熱交換の2種類があります。全熱交換は、冬の過乾燥や夏の湿気の侵入をやわらげられるのが利点です。パナソニックも熱交気調システムの特長として、湿気の侵入や過乾燥の緩和を挙げています。

費用とお手入れの手間はどう違う?

初期費用は第1種のほうが高く、お手入れの箇所も第1種のほうが多くなります。パナソニックの解説でも、第1種換気のデメリットとして導入コストの高さとランニングコストが挙げられています。

価格差には構造的な理由があります。第3種は、排気ファンと各部屋の給気口があれば成り立ちます。一方、ダクト式の第1種は、熱交換器の本体に加えて、各部屋へ空気を送るダクト、外とつなぐ給気と排気のフード、そしてダクトを天井裏に通す工事が必要です。機械の数も配管の長さも増えるので、材料費と手間の両方が上がります。金額は家の大きさや機種で大きく変わるため、同じ間取りで両方の見積もりを取って比べるのが確実です。

地味な話に見えるかもしれませんが、私がいちばん大事だと思っているのはお手入れです。

第3種のお手入れは、各部屋の給気口についたフィルターの掃除と、排気ファンの掃除です。作業は単純ですが、給気口は部屋の数だけあり、高い位置についていることが多いので、踏み台を出して回る手間はあります。

第1種は、給気側のフィルターが外気のホコリや花粉を受け止めるので、ここが詰まると換気量そのものが落ちます。三菱電機のロスナイセントラル換気システムでは、標準フィルターが10μm以上の粒子を約82%カットすると説明されています。これだけ集めるということは、それだけ汚れるということ。リフォーム向けのダクトレス機である日本スティーベルのLT-30Renoでも、フィルターは3か月ごとの掃除と年1回の交換が推奨されています。

本体が天井裏にある機種は、点検口を開けて脚立に乗っての作業になります。設置場所を決めるときは、性能より先に、自分が無理なく手を伸ばせる位置かどうかを確認してください。床置きや壁掛けで手の届く高さにある機種のほうが、掃除は続きます。リフォームを経験してみると、設備は入れた瞬間ではなく、10年使い続けられるかで評価が決まると実感します。

花粉やホコリを室内に入れたくない人にとっては、第1種のフィルターは大きな利点です。空気の入口が1か所にまとまっているので、そこで集中的にろ過できるからです。第3種の給気口にもフィルターはつけられますが、目の細かいものにすると空気が入りにくくなるため、限度があります。

換気で後悔しやすいポイントは?

換気の後悔は、方式そのものより、止めてしまうことと手入れをしなくなることから生まれます。第3種でも第1種でも、計画どおりに動いていなければ意味がありません。

よくあるパターンを3つ挙げます。

  • 第3種の給気口から入る冷気が寒くて、給気口を閉めてしまうことです。給気口を閉じると空気の入口がなくなり、換気量が足りなくなって、結露やにおいの原因になるからです。
  • 第1種のフィルター掃除をやめてしまうことです。フィルターが詰まると給気量が落ち、高いお金をかけた熱交換換気が、設計どおりに働かなくなるからです。
  • 家の隙間が多いまま換気設備だけを入れてしまうことです。隙間が多い家では、給気口やダクトを通らない空気の出入りが増え、空気が計画した経路を流れなくなるからです。

3つめは見落とされがちですが、いちばん根が深い問題です。第3種換気は、排気ファンで室内の気圧を下げ、その力で給気口から空気を引き込みます。家に隙間が多いと、空気は給気口ではなく、排気ファンに近い隙間から入ってしまいます。すると、ファンから遠い部屋の空気はほとんど入れ替わりません。

第1種の熱交換換気も、隙間が多い家では効果が薄れます。熱交換器を通らずに隙間から出入りする空気は、熱を回収できないからです。高い機械を入れたのに、隙間風で熱が逃げていく。これは本当にもったいない話です。

家の隙間の量は、C値という数値で表します。床面積1㎡あたりに何㎠の隙間があるかを示す値で、小さいほど隙間が少ない家です。換気方式を選ぶ前に、断熱と気密をどこまで上げるかを先に決める。順番はこちらが正解です。断熱材の選び方は、アクアフォームとグラスウールの比較記事で、隙間のできにくさを含めて整理しています。

寝室の給気口の位置も、後から変えにくいポイントです。ベッドの頭の真上に第3種の給気口があると、冬は冷気が顔に当たります。図面の段階で、家具の配置と給気口の位置を重ねて確認しておくと安心です。

新築で選ぶ場合とリフォームで選ぶ場合の違い

新築ではどちらの方式も自由に選べますが、リフォームでは、ダクトを通せるかどうかで選択肢が変わります。補助金の扱いにも違いがあります。

新築で選ぶ場合は、設計の段階でダクトの経路と本体の置き場所を確保できるので、制約はほとんどありません。考える順番は、まず断熱と気密の水準を決め、次に地域の寒さと予算から熱交換の必要性を判断する流れです。高断熱で気密も高い家ほど、熱が逃げる経路のうち換気が占める割合が大きくなるので、熱交換の効果が体感しやすくなります。

リフォームで選ぶ場合は、次の順番で考えます。

  1. 今の家に24時間換気があるかを確認します。理由は、平成15年7月より前に建った家には、24時間換気の設備がそもそもないことが多いからです。
  2. 天井を剥がす工事かどうかを確認します。理由は、ダクト式の第1種は天井裏にダクトを通すので、天井を開けない工事では施工が難しいからです。
  3. ダクトを通せない場合は、ダクトレスの熱交換換気を検討します。理由は、壁に穴をあけて1台ずつ取り付ける方式なら、天井を壊さずに第1種にできるからです。
  4. 断熱と気密の改修を同時にするかを決めます。理由は、隙間の多いまま熱交換換気を入れても、効果が十分に出ないからです。

ダクトレスの例として、日本スティーベルのLT-30Renoがあります。既存の直径100mmの給気口を活かして取り付けられる製品で、基本は偶数台を設置し、1台が給気しているあいだもう1台が排気し、約70秒ごとに役割が入れ替わります。熱交換率は最大85%で、外気0℃、室内20℃のとき17℃に温めて給気できると公式サイトで説明されています。本体価格は1台8万円、税別です。今ある第3種の給気口を、そのまま熱交換つきに置き換えられるのがリフォームでは助かります。

補助金にも触れておきます。みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、エコ住宅設備のひとつとして第一種換気設備が対象になっています。補助額はダクト式が1セット7万円、ノンダクト式が1か所2万円です。対象になるのは熱交換の機能がある設備で、次のいずれかを満たす必要があります。

基準 要件
A ダクトあり、DCモーターつき、有効換気量率80%以上
B ダクトなし、温度交換効率70%以上
C 比消費電力0.3W/(㎥/h)以下

注意したいのは、換気設備だけでは申請できない点です。この事業は、窓などの開口部と躯体の断熱改修を組み合わせる必須工事があり、対象も平成28年12月31日以前に新築された住宅に限られます。交付申請の期限は遅くとも2026年12月31日までです。第3種換気は対象の設備に含まれていません。制度の全体像は省エネリフォーム補助金の比較記事で、断熱改修の費用感は断熱リフォーム費用相場の記事でまとめています。申請前に必ず公式サイトで最新の受付状況を確認してください。

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あなたに合うのはどっち?

寒さの感じ方と省エネを重視するなら熱交換つきの第1種、初期費用と手入れの軽さを重視するなら第3種が向いています。リフォームでは、その中間としてダクトレスの第1種という選択肢があります。

kanki_1shu_vs_3shu 評価バッジ

評価は、各社の公表情報と制度の内容をもとにした当サイトの整理です。費用は家の大きさと機種で変わります。

こんな人は第1種換気がおすすめ

  • 寒冷地に住んでいる人、または冬の足元の冷えが苦手な人です。外気を室温に近づけてから取り込むので、給気口まわりの冷たさを感じにくいからです。
  • 断熱と気密をしっかり上げる家づくりをしている人です。隙間が少ない家ほど、熱交換器を通る空気の割合が増えて、効果がきちんと出るからです。
  • 花粉やホコリをできるだけ室内に入れたくない人です。空気の入口がまとまっていて、フィルターで集中的にろ過できるからです。
  • フィルター掃除を3か月ごとに続けられる人です。手入れを前提にした設備なので、掃除が止まると換気量が落ちるからです。

こんな人は第3種換気がおすすめ

  • 初期費用を抑えて、その分を窓や断熱に回したい人です。同じ予算なら、まず熱が逃げにくい家にするほうが効果を感じやすいからです。
  • 温暖な地域に住んでいる人です。室内と外の温度差が小さく、熱交換で取り戻せる熱が少ないからです。
  • 機械の手入れをなるべく減らしたい人です。仕組みが単純で、掃除する場所も故障する部品も少ないからです。
  • 天井を剥がさないリフォームの人です。排気ファンと給気口だけで成り立つので、既存の家にも入れやすいからです。

迷ったら、冬に給気口の下で過ごす場面を想像してみてください。リビングのソファや寝室のベッドが給気口の近くになる間取りなら、第1種か、その部屋だけダクトレスの熱交換換気にする価値があります。次の打ち合わせでは、同じ間取りで第1種と第3種の両方の見積もりを出してもらい、差額とフィルター掃除の方法を並べて確認するところから始めてください。

よくある質問

Q. 第1種換気と第3種換気の違いは何ですか?
A. 第1種換気は給気も排気も機械で行い、第3種換気は排気だけを機械で行って、給気は壁の給気口から自然に取り入れます。第1種には熱交換器を組み込めるため、冬でも外気を室温に近づけてから取り込めます。第3種は仕組みが単純で、初期費用を抑えやすい方式です。

Q. 熱交換換気にすると、電気代は元が取れますか?
A. 温暖な地域では、暖房費の節約だけで初期費用の差を取り戻すのは簡単ではありません。延床約120㎡の家で、外気0℃、室温20℃が続いたと多めに見積もっても、暖房費の差は年間1万8,000円ほどの試算です。熱交換の価値は、給気口まわりが寒くならない快適さにあると考えると判断しやすくなります。

Q. 第3種換気は冬に寒いですか?
A. 外の空気がそのままの温度で給気口から入るため、給気口の近くでは冷たさを感じることがあります。寒いからと給気口を閉じると換気量が足りなくなるので、家具の配置と給気口の位置を図面の段階で確認しておくことが大切です。

Q. リフォームで第1種換気を後付けできますか?
A. 天井を剥がす工事ならダクト式を入れられます。天井を開けない場合は、壁に取り付けるダクトレスの熱交換換気が選択肢になります。日本スティーベルのLT-30Renoのように、既存の直径100mmの給気口を活かせる製品もあります。

Q. 換気設備に補助金は使えますか?
A. みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、熱交換の機能がある第一種換気設備が対象で、補助額はダクト式が1セット7万円、ノンダクト式が1か所2万円です。ただし開口部や躯体の断熱改修との組み合わせが必須で、平成28年12月31日以前に新築された住宅が対象です。

どちらの製品を選ぶにしても、最初の一歩は複数社の比較から
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※ どちらも無料。複数社の提案をまとめて取り寄せられます
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てけ
数年前に中古戸建を購入し、リノベーションを実施。 その際に得た知識や経験をもとに、これからリフォームやリノベーションを検討される方に向けて情報発信しています。
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