内窓を調べ始めると、YKK APの内窓としてプラマードUという名前がたくさん出てきます。ところが施工店の見積もりには、ウチリモと書かれている。ネットの口コミはプラマードUばかりなのに、これは別物なのか、安い代わりの製品なのか。そんな疑問で手が止まっている方も多いのではないでしょうか。
中古戸建てのリノベーションで窓の断熱を考えた経験から言うと、内窓はカタログの断熱性能よりも先に、そもそも今の窓に付くのかどうかで悩む場面が多い設備です。そして、ウチリモとプラマードUのいちばん大きな違いは、まさにそこにあります。
ウチリモは、プラマードUの後継にあたるYKK APの内窓です。YKK APは、内窓をプラマードUからウチリモへ生まれ変わらせると案内しています。これから内窓を付けるなら、選ぶのは基本的にウチリモです。そのうえで、何が変わったのか、プラマードUの情報や口コミをどこまで参考にしてよいのかを整理していきます。
ウチリモとプラマードU、何が違う?
最大の違いは、取り付けに必要な窓枠の奥行です。プラマードUは70mm以上が必要でしたが、ウチリモは引違い窓で最小47mm、2026年に加わった内開き窓などのプロジェクト窓では最小39mmで取り付けられます。
内窓は、今ある窓の室内側に、もう1つ窓を付けて二重窓にするリフォームです。既存の窓枠の内側にレールや枠を固定するので、窓枠にどれだけの奥行があるかで、付くかどうかが決まります。ウチリモはこの必要な奥行を小さくしたことで、これまで内窓を付けにくかった家でも付けやすくなりました。
YKK APの発表によると、ウチリモは2025年3月に引違い窓の発売が発表され、2025年7月7日に全国で発売されました。そのときにシリーズ名もプラマードUからウチリモに変わっています。2026年4月には、浴室仕様や真空障子を含む引違い窓の追加、4月30日にはFIX窓、内開き窓、開き窓テラスが加わり、窓の種類がそろいました。
主な違いを表にまとめます。

| 比較項目 | ウチリモ | プラマードU |
|---|---|---|
| 位置づけ | 現行の内窓 | ウチリモへ切り替え済みの旧シリーズ |
| 必要な窓枠の奥行 | 引違い窓 最小47mm、プロジェクト窓 最小39mm、FIX窓 最小45mm | 70mm以上 |
| 枠の納め方 | 枠を室内側に最大11mm持ち出して取り付けられる | 奥行が足りない場合はふかし枠で対応 |
| 断熱性能 | Low-E複層ガラスで熱貫流率1.5W/(㎡・K)以下、先進的窓リノベのSグレード対象 | ガラスの仕様による |
| 窓の種類 | 引違い、FIX、内開き、開き窓テラス、浴室仕様あり | 引違い、FIX、内開きなど |
| 安全面 | ストッパー付安全引手を標準採用 | ー |
| カラー | 7色、2026年にグレイジュを追加 | ー |
熱貫流率とは、窓1㎡あたりから1時間に逃げる熱の量を表す数字です。小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを意味します。
奥行70mmから47mmへ、暮らしにどう効く?
必要な奥行が小さくなったことで、ふかし枠を使わずに内窓を付けられる窓が増えました。ふかし枠が要らなくなると、窓まわりの見た目がすっきりし、追加の部材費もかからなくなります。
ふかし枠とは、窓枠の奥行が足りないときに、室内側へ枠を継ぎ足して奥行を確保する部材です。プラマードUの場合、窓枠の奥行が70mmに届かなければ、このふかし枠を付けて内窓を取り付けていました。
ふかし枠を付けると、内窓が室内側に張り出します。窓台に物を置くスペースが減ったり、カーテンやブラインドと干渉したりすることがあるんです。見た目の面でも、窓まわりに額縁が一段増えたような印象になります。
YKK APは、ウチリモを開発した背景として、古い木造住宅では窓枠の奥行が小さく、内窓を付けにくい家が多いことを挙げています。中古戸建てで築年数がたった家ほど、この差は効いてきます。
ウチリモの引違い窓は、枠そのものの奥行を58mmに抑え、下枠を薄くしたうえで、枠を室内側に最大11mm持ち出して取り付ける方法を用意しています。障子の重さがかかる部分が額縁からはみ出さない設計なので、奥行が47mmあれば取り付けられる、という仕組みです。
2026年に加わった内開き窓などのプロジェクト窓では、さらに小さい39mmが最小の奥行です。YKK APは、従来品より31mm小さくしたと説明しています。浴室やトイレの小さな窓は、窓枠の奥行が特に浅いことが多いので、ここに付けられるようになったのは大きな変化です。
一方で、47mmや39mmにも届かない窓枠なら、ウチリモでもふかし枠が必要になります。これは本当に家ごとの差が大きいところなので、現地調査で1窓ずつ測ってもらうのが確実です。
断熱と防音の性能は変わった?
断熱の考え方は、プラマードUから大きくは変わっていません。どちらも既存の窓との間に空気の層をつくり、樹脂の枠で熱を逃がしにくくする仕組みです。ウチリモは、Low-E複層ガラスの仕様で熱貫流率1.5W/(㎡・K)以下を確保し、先進的窓リノベ事業のSグレードの対象になります。
内窓の断熱効果は、2つの理由で生まれます。1つは、既存の窓と内窓の間にできる空気の層です。空気は熱を伝えにくいので、外の冷たさが室内に届きにくくなります。もう1つは枠の素材です。アルミは樹脂に比べて熱を非常に伝えやすく、古い家のアルミサッシは冬になると枠そのものが冷たくなり、結露の原因にもなります。内窓の樹脂の枠がその内側をふさぐことで、室内側の窓まわりが冷えにくくなるんです。
Low-E複層ガラスとは、2枚のガラスの間に空気やガスの層を設け、ガラスの表面に特殊な金属の膜を付けたガラスです。この膜が熱を反射するので、1枚ガラスよりも熱が逃げにくくなります。
防音について、YKK APはウチリモで外からの音を15dB低減し、騒音が半分以下に聞こえる効果があると案内しています。幹線道路沿いの家や、寝室の外の音が気になる家では、断熱と同時に得られるうれしい効果です。防音をさらに重視するなら、他メーカーの防音内窓と比べてみる価値もあります。
2026年4月には、引違い窓に真空障子も加わりました。真空ガラスは、2枚のガラスの間を真空にして熱を伝えにくくしたガラスで、薄いのに断熱性能が高いのが特徴です。より高い断熱性能を求めるなら、見積もりの段階でガラスの選択肢を施工店に確認してください。
プラマードUで見積もりが出てきたらどうする?
見積もりにプラマードUと書かれていたら、まずは型番とシリーズ名が最新のものかを施工店に確認してください。YKK APは内窓をウチリモへ切り替えており、これから新しく付けるならウチリモが基本だからです。
口コミやブログで見かけるプラマードUの評価は、使い勝手や断熱の体感という点では、今もある程度参考になります。内窓を付けたら冬の窓際の冷たさが和らいだ、結露が減った、といった声は、内窓という仕組みそのものに対する評価だからです。
一方で、取り付けられるかどうかの情報は、プラマードUのものをそのまま当てはめないほうが安全です。以前、奥行が足りないからふかし枠が必要と言われた窓でも、ウチリモならふかし枠なしで付く可能性があります。数年前に内窓をあきらめた方こそ、改めて見積もりを取り直す価値があります。
すでにプラマードUを付けている家で、別の部屋にも内窓を足したい場合は、見た目のそろい方を確認しましょう。ウチリモのカラーは、クリア、ナチュラル、ミディアムオーク、ダークブラウン、ホワイト、カームブラック、グレイジュの7色です。枠の形は薄く変わっているため、同じ部屋の中で新旧を並べる場合は、色の名前だけで決めず、ショールームや施工店で実物を見て判断するのがおすすめです。
LIXILのインプラスなど、ほかのメーカーの内窓と比べて迷っている方は、インプラスとプラマードUの比較記事も参考になります。インプラスとの違いの多くは、後継のウチリモを比べるときにも役立ちます。
価格と補助金はいくら?
YKK APが発表したウチリモの参考価格は、引違い窓2枚建のW1,700mm×H1,200mmで9万7,800円です。内開き窓のW600mm×H1,100mmでは6万4,500円です。いずれもLow-E複層ガラスの仕様で、消費税と搬入費、施工費は含みません。
実際の費用は、窓の大きさとガラスの種類、そしてふかし枠が必要かどうかで変わります。ふかし枠が要らなくなれば、その分の部材費と手間がかからないので、同じ窓でもプラマードUのころより費用が下がるケースが出てきます。窓の工法ごとの費用相場は、窓・サッシリフォーム費用相場の記事で内窓、カバー工法、はつり工法を並べて比べています。
補助金は、環境省の先進的窓リノベ2026事業が使えます。内窓設置は、Sグレード以上の性能が対象です。戸建て住宅の補助額は、窓の大きさによって次のように決まっています。
| 窓の大きさ | Pグレード | Sグレード |
|---|---|---|
| 特大 4.0㎡以上 | 14万円 | 7.6万円 |
| 大 2.8㎡以上4.0㎡未満 | 8.9万円 | 5.2万円 |
| 中 1.6㎡以上2.8㎡未満 | 5.8万円 | 3.4万円 |
| 小 0.2㎡以上1.6㎡未満 | 3.6万円 | 2.2万円 |
補助の上限は戸建て住宅で1戸あたり100万円で、1回の申請で補助額の合計が5万円以上になる工事が対象です。つまり、小さな窓1か所だけでは申請できません。リビングの掃き出し窓と寝室の窓など、何か所かをまとめて工事すると、補助を受けやすくなります。
申請は、窓リノベ事業者として登録した施工店が行います。予算に達すると受付が終わる仕組みで、公式サイトでは2026年9月28日時点で予算の25%まで申請が進んでいます。制度の全体像は、省エネリフォーム補助金の比較記事にまとめています。
ウチリモを選ぶときの注意点
ウチリモを検討するときは、次の順番で確認すると失敗しにくくなります。
- 付けたい窓の窓枠の奥行を確認します。理由は、47mmや39mmに届くかどうかで、ふかし枠の有無と費用、見た目が変わるからです。
- 窓の種類に合う製品があるかを確認します。理由は、引違い窓だけでなく、浴室の窓や開き窓など、窓の形ごとに選べる仕様が違うからです。
- ガラスの仕様を決めます。理由は、補助金のグレードと補助額はガラスを含めた内窓全体の性能で決まり、Low-E複層にするか、真空障子にするかで費用も変わるからです。
- 開け閉めの回数が多い窓かを考えます。理由は、内窓を付けると窓を開けるたびに2枚を開けることになり、ベランダへの出入りが多い窓ほど手間を感じやすいからです。
- 補助金の対象になる窓の数を数えます。理由は、1申請5万円以上という条件があり、窓の数と大きさで補助を受けられるかが決まるからです。
ありがちな失敗は、全部の窓に付けようとして予算オーバーになるパターンです。まずは家の中で一番寒い部屋、たとえば北側の寝室やリビングの大きな窓から優先すると、少ない費用で体感の差を得やすくなります。
ウチリモで決めてよい人、施工店と相談したい人
5つの軸で比べると、これから付けるならウチリモを選ばない理由はほとんどありません。

評価は、YKK APの公式情報をもとにした当サイトの整理です。プラマードUの入手しやすさは、ウチリモへの切り替えを踏まえて評価しています。
こんな人はウチリモで決めてよい
- これから初めて内窓を付ける人です。YKK APの内窓はウチリモに切り替わっていて、取り付けられる窓の範囲も広がっているからです。
- 以前、ふかし枠が必要と言われて内窓をあきらめた人です。必要な奥行が70mmから最小47mm、窓によっては39mmまで小さくなり、付けられる可能性が高まったからです。
- 浴室やトイレの小さな窓にも付けたい人です。2026年に浴室仕様や内開き窓が加わり、奥行の浅い窓にも対応しやすくなったからです。
- 補助金を使って費用を抑えたい人です。Low-E複層ガラスでSグレードの対象になり、先進的窓リノベ2026事業の補助を受けられるからです。
こんな人は施工店と相談したい
- すでにプラマードUを付けていて、同じ部屋に内窓を足したい人です。枠の形が変わっているため、新旧を並べたときの見た目を事前に確認したほうがよいからです。
- 窓枠の奥行が39mmにも届かない人です。ウチリモでもふかし枠が必要になり、見た目や費用がプラマードUのころと変わらない可能性があるからです。
- 防音を最優先にしたい人です。ウチリモは15dBの低減をうたっていますが、防音に特化した内窓と比べて選ぶ価値があるからです。
内窓を検討するなら、まずは寒さや結露が一番気になる部屋の窓枠の奥行を測ってみてください。そのうえで、同じ窓の条件で施工店に見積もりを依頼し、ウチリモで付けられるか、ふかし枠が必要かを確認するのが、後悔しない近道です。
よくある質問
Q. ウチリモとプラマードUは別の製品ですか?
A. ウチリモは、YKK APの内窓プラマードUの後継にあたる製品です。YKK APは内窓をプラマードUからウチリモへ切り替えると案内していて、2025年7月の引違い窓の発売時にシリーズ名もウチリモに変わりました。
Q. プラマードUはまだ買えますか?
A. YKK APの内窓はウチリモへ切り替わっているため、これから新しく付けるならウチリモが基本です。見積もりにプラマードUと書かれていた場合は、最新のシリーズかどうかを施工店に確認してください。
Q. ウチリモなら、どんな窓にもふかし枠なしで付けられますか?
A. いいえ。ウチリモに必要な窓枠の奥行は、引違い窓で最小47mm、内開き窓などのプロジェクト窓で最小39mm、FIX窓で最小45mmです。これに届かない窓では、ウチリモでもふかし枠が必要になります。
Q. ウチリモは補助金の対象になりますか?
A. Low-E複層ガラスの仕様で熱貫流率1.5W/(㎡・K)以下となり、先進的窓リノベ2026事業のSグレードの対象です。戸建て住宅の場合、Sグレードの補助額は窓の大きさに応じて1か所2.2万円から7.6万円で、1申請の合計が5万円以上である必要があります。
Q. ウチリモの価格はどのくらいですか?
A. YKK APの参考価格は、引違い窓2枚建のW1,700mm×H1,200mmで9万7,800円、内開き窓のW600mm×H1,100mmで6万4,500円です。いずれも消費税、搬入費、施工費は含まれていません。

