床のリノベーションを進めていると、「朝日ウッドテックにしようと思っているけど、プレミアムとプラスってどう違うの?」という疑問にぶつかることがあります。同じメーカーのシリーズだから大差ないだろう、と流してしまいがちですが、この2製品の違いは「素材の作り方そのもの」にあります。見た目だけで選ぶと、あとで後悔するかもしれません。
先に結論を伝えると、素足で踏んだときの木の存在感・立体的な木目・長期使用後の風格を重視するならライブナチュラルプレミアム、予算を適正に抑えながら朝日ウッドテックの品質基準をしっかり確保したいならライブナチュラルプラスという選び方になります。価格差は同一樹種で1㎡あたり1,000〜15,000円程度ですが、その差が生まれる理由を理解した上で選ぶと、選択に迷いがなくなります。
2製品の根本的な違い:挽き板と突き板
どちらも朝日ウッドテックの「ライブナチュラル」ファミリーに属する天然木複合フローリングですが、表面に使われる天然木の加工方法がまるで異なります。
ライブナチュラルプレミアムは挽き板(ひきいた)フローリングです。 丸太を鋸(のこぎり)で厚さ2mm程度に切り出した板を、基材となる合板の上に貼り合わせています。切り出す工程で木くずが出るぶんコストはかかりますが、2mmという厚みが本物の無垢材に近い足触りと木目の立体感を生み出します。
ライブナチュラルプラスは突き板(つきいた)フローリングです。 丸太を薄くスライスした約0.5mmの板を基材に貼り合わせています。製造効率が高いためプレミアムより手頃な価格になりますが、表面の天然木が薄い分、踏み心地や木目の奥行きはプレミアムに劣ります。
この構造の違いが、質感・価格・使用感すべての差の出発点です。
複合フローリングの素材タイプ(無垢・挽き板・突板・シート)の詳しい比較については、無垢フローリング vs 複合フローリング 徹底比較が参考になります。
仕様を比較する
| 項目 | ライブナチュラルプレミアム | ライブナチュラルプラス |
|---|---|---|
| 素材タイプ | 挽き板(無垢材2mm) | 突き板(約0.5mm) |
| 厚み | 12mm | 12mm |
| 幅 × 長さ | 303mm × 1,818mm | 303mm × 1,818mm |
| 塗装 | ナチュラルマット塗装 | ナチュラルマット塗装 |
| 床暖房対応 | ○ | ○ |
| フリーワックス | ○ | ○ |
| 抗ウイルス・抗菌(SIAA) | ○(天然木フローリング国内初) | ○ |
| 主な樹種 | オーク・ブラックチェリー・ハードメイプル・ブラックウォルナット・アッシュ・サペリ・ヒノキほか | オーク・ブラックチェリー・ハードメイプル・ブラックウォルナット |
| シリーズ展開 | STANDARD / RUSTIC / MOMENT / オール国産材 | 2Pタイプ / 3Pタイプ / for Dog |
| 価格帯(㎡・税別) | 約17,100〜31,220円 | 約15,310〜15,910円 |
| 価格帯(1坪目安) | 約56,000〜103,000円 | 約50,500〜52,500円 |
※価格は2025年時点のメーカー公表値。販売店・仕入れルートにより変動あり。

質感・踏み心地の違い
フローリング選びで「どちらが気持ちいいか」は非常に個人差が出る話ですが、構造上の差は明確です。
ライブナチュラルプレミアムの2mm挽き板は、足裏に触れたときに木の厚みを感じます。板と板のジョイント部分(サネ)にもわずかな高低差が出るため、均一に加工されたシートフローリングとは別の「床材としての存在感」があります。樹脂塗装でコーティングされているにもかかわらず、天然木ならではのざらつきや温かみが残っている点が、ライブナチュラルプレミアムを選ぶ人の多くが挙げる理由です。
一方のライブナチュラルプラスは、0.5mmの突き板でも「普通の建材フローリング」とは一線を画した質感があります。ナチュラルマット塗装によって天然木の木目が視覚的に美しく見え、同じプレミアムシリーズと比べなければ十分すぎる品質です。ただし、素足で長時間過ごすリビングや寝室に採用する場合は、ショールームで実物を踏み比べてみることをおすすめします。
価格差はどこから生まれるのか
同一樹種で比べると、ライブナチュラルプラスの1坪あたり50,000円前後に対し、プレミアムは56,000〜103,000円(樹種による)です。STANDARD・オークなど定番ラインなら差額は1坪あたり数千円〜1万円程度ですが、アッシュ・サペリ・ヒノキなどプラスにはない樹種を選ぶとプレミアムは1坪10万円を超えます。
価格差の主な原因は2点です。第一に、挽き板は製造過程で木くずが出るため突き板より材料歩留まりが悪く、同じ樹種・面積を確保するのにより多くの原木が必要になります。第二に、プレミアムはグッドデザイン賞・キッズデザイン賞を受賞し、「史上最高の無垢材挽き板フロア」と位置づけられているブランド価値が価格に反映されています。
20畳(約11坪)のLDKを想定した場合のザックリな材料費比較:
| 製品 | 1坪目安 | 20畳(11坪)の材料費 |
|---|---|---|
| ライブナチュラルプレミアム STANDARD | 約65,000円 | 約71万円 |
| ライブナチュラルプラス | 約51,000円 | 約56万円 |
| 差額 | 約14,000円 | 約15万円 |
施工費は材料の違いによる差はほぼなく、工法(張り替え・重ね張り)と部屋の条件次第です。
樹種の選択肢
樹種の幅は、プレミアムが圧倒的に広いです。
プラスはオーク・ブラックチェリー・ハードメイプル・ブラックウォルナットの4樹種を中心としていますが、プレミアムはそれらに加えてアッシュ・サペリ・ヒノキ・国産楢・栗・栓などのオール国産材シリーズも展開しています。また、プレミアムにはSTANDARDに加え、節や白太などの個性を全面に出したRUSTIC、特殊な着色加工で独自の表情を持たせたMOMENTといったラインも用意されています。
特定の樹種を希望している場合、プラスには存在しないこともあるため、候補を絞る前に現行ラインナップを公式サイトで確認することをおすすめします。
朝日ウッドテックと他社製品(ウッドワンなど)との詳しい比較は朝日ウッドテック vs ウッドワン 徹底比較もあわせてご覧ください。
機能面の違い
床暖房対応・フリーワックス・SIAA抗ウイルス抗菌認証の3点については、プレミアム・プラスともに対応しています。機能面で比較した場合、両製品の差はほとんどありません。
強いて言えば、プレミアムのSIAA認証は「天然木フローリングとして国内初取得」という実績があり、先行して長期の信頼性データが蓄積されています。プラスも同認証を取得していますが、プレミアムのほうがブランドとしての歴史が長く、ショールームの展示面積・施工事例数も充実しています。
ペット対応ニーズについては、ライブナチュラルプラス「for Dog」という防滑塗装仕様のバリエーションが存在します。小型犬に多い膝蓋骨脱臼への配慮から滑りにくい塗装を採用したもので、プレミアムには同等の専用ラインはありません。犬と暮らす住まいでフローリングを選ぶ場合は、プラス for Dogが現実的な選択肢になります。
リフォームで採用するときの考え方
新築と違い、リフォームでは既存の床との兼ね合いが選択の前提になります。
重ね張り(上張り)か張り替えか
プレミアム・プラスともに基本の厚みは12mmです。既存の床材の上から重ね張りすると床面が12mm高くなり、建具の下端や廊下との段差に干渉することがあります。一般的にはリフォームでは既存床を剥がしてから施工する「張り替え工法」が標準です。
既存床を剥がす場合は廃材処理費が別途発生しますが、下地の状態(腐食・傾き・シロアリ被害など)を確認できるメリットがあります。中古戸建てのリノベーションでは特に、床下の状態確認を兼ねて張り替えを選ぶことに意味があります。
床暖房がある場合
すでに電気式・温水式の床暖房が設置されている場合、必ず床暖房対応品を選ぶ必要があります。プレミアム・プラスはともに床暖房対応していますが、床暖房の上から施工する際は専用の接着剤・施工手順が求められます。施工業者が床暖房仕様の施工実績を持っているか、事前に確認してください。
補助金の活用
フローリングの張り替えは、床材単体での補助金対象にはなりません。ただし、床の断熱改修(床下断熱材の追加・入れ替え)を同時に実施する場合は、「みらいエコ住宅2026事業」(2026年度・最大100万円)の補助対象になる可能性があります。
中古戸建てのリノベーションで床を張り替える機会があれば、同時に床下断熱も見直すと補助金活用と省エネ性能向上を両立できます。補助金制度の詳細は省エネリフォーム補助金 徹底比較【2026年版】をご確認ください。
費用対効果の考え方
リフォーム後の想定使用年数を考慮すると判断がしやすくなります。
15〜20畳のLDKを想定した場合:
| 製品 | 材料費の目安 | 施工費の目安 | 合計 |
|---|---|---|---|
| プレミアム(STANDARD) | 70〜90万円 | 20〜35万円 | 90〜125万円 |
| プラス | 55〜70万円 | 20〜35万円 | 75〜105万円 |
素材差だけで15〜20万円の開きが生まれます。この差額を「使用年数」で割ると、20年使う場合は年間7,500〜10,000円の追加コストです。床の質感が毎日の生活満足度に影響すると考える人には、その差が意味を持ちます。
こんな人はプレミアムがおすすめ/こんな人はプラスがおすすめ
ライブナチュラルプレミアムがおすすめの人
- 素足で過ごす時間が長く、床の踏み心地を大切にしたい: 2mm挽き板の厚みは足触りに明確に出る
- アッシュ・サペリ・ヒノキなどプラスにない樹種を希望している: プレミアムでしか選べない選択肢がある
- RUSTICやMOMENTのように個性ある仕上げが好み: 節・白太・特殊着色などはプレミアム専用ライン
- 長期リノベーション(20〜30年の居住を前提)で、素材の経年変化にも価値を置く: 挽き板は突き板よりも削り直しに耐える余地がある
- インテリア全体を高い質感で統一したい: キッチン・建具・照明と合わせてハイグレードな仕上がりを目指す場合
ライブナチュラルプラスがおすすめの人
- 同じ朝日ウッドテックの品質を、より合理的な予算で手に入れたい: 機能面はプレミアムとほぼ同等
- 犬と一緒に暮らしていて、滑り対策を優先したい: 「for Dog」防滑仕様はプラスだけのバリエーション
- プレミアムに対応した樹種(オーク・ウォールナットなど)が希望で、デザイン的に大きな差がない: 同樹種でどちらも展開されているなら質感差は小さくなる
- リフォーム全体の予算が限られており、他の工事(断熱・水回り)にも費用を分散させたい: 床材だけに費用を集中させず全体バランスを取る
- 賃貸に出す予定の物件や、費用対効果優先の投資向け物件: 入居者の満足度と費用のバランスを取る
よくある質問
Q1. プレミアムとプラスは見た目で区別できますか?
並べて比較すると、プレミアムのほうが木目に奥行きがあり立体感があります。ただし単体で見た場合、一般の方がパッと見分けるのは難しい場面も多いです。手で触れるか、素足で踏んでみると差が分かります。
Q2. どちらが傷つきやすいですか?
ナチュラルマット塗装はどちらも共通なので、日常的な傷への耐性は同程度です。ただし、プレミアムは表面の天然木が2mmあるため、万が一深い傷が入っても木地が残る分、補修の余地がわずかにあります。プラスの0.5mmは傷が基材まで到達しやすい点に留意が必要です。
Q3. リフォームで施工する際に特別な業者が必要ですか?
どちらも朝日ウッドテックの施工方法に準じた一般的な内装工事業者で対応可能です。ただし床暖房対応施工は専門知識が必要なため、施工実績のある業者に依頼することを強くおすすめします。
Q4. サンプルを取り寄せることはできますか?
朝日ウッドテックの公式サイトからサンプル請求が可能です。また、全国のショールームでは実際のフローリングを素足で踏めるスペースが用意されています。決定前に実物確認を強くおすすめします。
Q5. プレミアムとプラスを同じ家の中で使い分けできますか?
可能です。よくある使い分けとして、毎日長く過ごすLDKにプレミアム、廊下・洋室・寝室にプラスという配置があります。樹種をそろえれば視覚的な統一感が保てます。予算の集中と分散を計画的に行う方法として有効です。
