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アクアフォーム vs グラスウール 断熱材比較【2026年版】|費用・性能・施工性、中古住宅で選ぶならどっち?

アクアフォーム vs グラスウール 断熱材比較

断熱リフォームを検討し始めると、「アクアフォームとグラスウール、どちらを選べばいい?」という疑問にぶつかります。リフォーム会社から「うちはアクアフォームで施工します」と言われたけれど、グラスウールとの違いがよくわからない、という方は少なくありません。

先に結論をお伝えします。アクアフォーム(吹き付け硬質ウレタンフォーム)は気密性を重視したスケルトンリノベーションに向いており、グラスウールはコストを抑えながら断熱等級4〜5を達成したい部分改修に向いています。ただし性能・費用・施工環境によって判断は変わります。このページでは両者の仕組みから、リフォームならではの選び方まで整理します。

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アクアフォームとグラスウール、それぞれどんな断熱材?

アクアフォームとは

アクアフォームは、アキレス株式会社が製造・販売する現場発泡型の硬質ウレタンフォーム断熱材の商品名です。液状の原料を壁・天井・床下などに直接吹き付けると、現場で発泡・硬化して隙間なく断熱層を形成します。連続気泡と独立気泡のバランスによって透湿抵抗を確保しながら、優れた断熱性を発揮するのが特徴です。

吹き付け施工のため、柱や梁の複雑な形状にも追従でき、施工後は発泡体が構造材に密着した状態になります。

なお、吹き付け硬質ウレタンフォームはアクアフォームのほかにも、フォームライトSL(BBB社)などの製品があります。本記事では「吹き付け硬質ウレタンフォーム全般」の特性を中心に、代表製品としてアクアフォームを取り上げます。

グラスウールとは

グラスウールは、ガラスを細い繊維状に加工して綿のように成形した断熱材です。1950年代から日本の住宅断熱に使われてきた実績のある材料で、現在も最も広く普及している断熱材の一つです。

製品のバリエーションが豊富で、密度(kg/m³)と厚みの組み合わせによって幅広い断熱性能をカバーできます。一般的な10K(密度10kg/m³)タイプから、高性能な16K・24K・32Kまで揃っており、価格帯も幅広く設定されています。


断熱性能の数値で比較する

断熱材の性能を比較するときの基本指標が**熱伝導率(λ:ラムダ)**です。単位はW/(m·K)で、数値が低いほど熱を通しにくく、断熱性能が高いことを意味します。

断熱材の種類熱伝導率(λ)の目安備考
アクアフォーム(現場発泡ウレタン)0.026 W/(m·K)アキレス公式サイトより(製品グレードによる)
グラスウール 10K0.050 W/(m·K)一般品
グラスウール 16K0.045 W/(m·K)標準品
グラスウール 高性能 16K0.038 W/(m·K)高性能品
グラスウール 高性能 24K0.036 W/(m·K)高性能品
グラスウール 高性能 32K0.035 W/(m·K)高性能品

数値だけ見ると、アクアフォームのほうが熱伝導率が低く(断熱性が高い)見えます。ただし断熱材の性能は熱伝導率だけで決まりません。厚みが同じ条件であることと、**施工精度(隙間ゼロかどうか)**も最終的な性能に大きく影響します。

グラスウールで高性能品(24K以上)を選び、十分な厚みを確保して正確に施工すれば、アクアフォームと同等の断熱性能に達することが可能です。一般社団法人住宅性能評価・表示協会の資料でも、断熱材の種類より施工精度を断熱性能のばらつき要因として重視しています。

気密性:最も違いが出るポイント

断熱性能と同じくらい重要なのが気密性です。住宅の気密性は「隙間がどれだけ少ないか」で決まり、C値(相当隙間面積:cm2/m2)で表されます。数値が低いほど気密性が高い住宅です。

アクアフォームは現場で発泡・硬化するため、柱と柱の間・梁の周り・配管まわりなどの複雑な箇所にも密着します。これにより、断熱施工と同時に高い気密性を確保しやすいのが最大の強みです。

グラスウールは柱の間に充填しますが、カット精度や押し込み方が甘いと隙間ができやすく、施工者の技量で気密性に差が生じます。グラスウールで高い気密性を確保するには、防湿シートの丁寧な施工と、気密テープによる目張りを組み合わせる必要があります。

重要な注意点として、どちらの断熱材でも、気密性を確保するには施工業者の技術力が最も重要です。「アクアフォームを使えば必ず高気密になる」という保証はなく、施工管理体制を施工会社に確認することが不可欠です。


リフォームで断熱材を選ぶときの考え方

断熱材の選択は、施工する工法(外断熱か内断熱か)と深く絡み合っています。工法の違いについては「外断熱 vs 内断熱 リフォームでの比較」に詳しくまとめていますが、アクアフォームとグラスウールはいずれも**内断熱(充填断熱)**の材料として使われることがほとんどです。

アクアフォームをリフォームで採用するとき

アクアフォーム(吹き付けウレタン)の最大の施工適性はスケルトンリノベーションとの相性です。内装を全解体して柱・梁が露出した状態になれば、職人が隅々まで吹き付けられるため、施工品質が安定します。

部分改修での採用は制約があります。壁を開口せずに既存断熱材の上から吹き付けることは基本的にできず、床下・天井裏へのアクセスが確保できる場合に限って適用可能です。また、硬化後のウレタンフォームは後から撤去・再施工が難しいため、将来の設備変更時に障害になるケースがあります。

グラスウールをリフォームで採用するとき

グラスウールは部分改修から全面改修まで幅広く対応できる汎用性が強みです。壁の一部を開口して充填する「部分断熱改修」や、外壁工事の足場に合わせて外壁内の断熱材を交換する工法など、様々な施工パターンに対応できます。

また、将来の補修や設備変更の際にカットして取り外せるため、メンテナンス性が高い点も中古住宅のリフォームでは評価されます。

条件や施工範囲で費用は大きく変わります。正確な金額は見積もりで確認を リフォーム見積もりを無料で比較する ※ 相見積もりで20〜30%安くなるケースもあります

補助金との関係

どちらの断熱材を使った場合でも、施工後の住宅が定められた断熱等級(省エネ基準)を満たし、登録事業者が施工すれば省エネリフォーム補助金の対象になります。材料の種類より「達成できる断熱等級」が補助金適用の要件です。詳細な要件・申請方法は省エネリフォーム補助金まとめ(2026年版)をご確認ください。

費用の相場はどのくらい違う?

延床面積100〜120平方メートル程度の2階建て木造住宅を全面改修する場合の目安です(断熱材のみ、施工費込み)。

断熱材施工箇所費用目安
アクアフォーム(吹き付け)壁・天井・床下(全面)80〜150万円
グラスウール(充填・吹き込み)壁・天井・床下(全面)40〜90万円

アクアフォームはグラスウールの1.5〜2倍程度の費用になる傾向があります。ただしアクアフォームは気密施工の手間が省けることから、断熱材費用+気密工事費の合算で比較すると差が縮まるケースもあります。

見積もりを取る際は「断熱材の材料費」「吹き付け or 充填の施工費」「気密処理費」を個別に明示してもらうと、正確な比較ができます。


結露への対応はどちらが有利?

内断熱で最も注意すべき問題が壁内結露です。冬に室内の温かい空気が壁の中に入り込み、外気で冷やされた面で結露が起きると、木材が腐食し断熱材の性能が劣化します。

アクアフォーム(吹き付けウレタン)は、発泡体自体が気密層として機能するため、室内からの湿気が壁内部に浸入しにくく、壁内結露のリスクが比較的低いといわれています。

グラスウール単体では透湿性があるため、防湿シートの施工が不可欠です。既存住宅では防湿シートが施工されていないか、経年劣化で穴が開いているケースが多く、断熱改修時に合わせて防湿シートを補修・追加する必要があります。


こんな人はアクアフォームがおすすめ

  • スケルトンリノベーションを予定している人:内装全解体と同時施工することで、施工精度と費用効率が最大化されます。
  • 高気密・高断熱(断熱等級6〜7)を目指したい人:気密性と断熱性を同時に確保できる施工方法として効果的です。
  • 築30年以上で既存断熱材がない・ほぼ劣化している住宅を購入した人:既存材の撤去なしに断熱層を作れるため、施工の手間が少なくなります。
  • 施工箇所が複雑な形状(段差・梁まわり・不整形な間仕切りなど)の多い住宅:吹き付けは形状を問わず追従できます。

こんな人はグラスウールがおすすめ

  • 予算を抑えながら断熱等級4〜5への改修を実現したい人:材料費・施工費ともに抑えやすく、費用対効果が高くなります。
  • 部分的な断熱改修を段階的に進めたい人:壁の一部解体・天井裏・床下など、工事個所を限定しながら改修を進めるのに向いています。
  • 将来的な設備変更・メンテナンスの自由度を確保したい人:グラスウールは撤去・交換が容易で、リフォーム後の作業性が高まります。
  • 複数の施工会社から競合見積もりを取りたい人:グラスウール対応業者は多く、相見積もりによるコスト最適化がしやすい。

まずはリノベーションの規模感(スケルトンか部分改修か)と、目標とする断熱等級を施工会社と話し合い、「どちらの断熱材で要件を満たせるか」を見積もりベースで確認することが最短ルートです。


よくある質問

Q1. アクアフォームとグラスウールを組み合わせることはできますか? はい、組み合わせは可能です。たとえば壁にグラスウールを充填し、天井裏にアクアフォームを吹き付けるという選択もあります。ただし施工の整合性(気密処理のつなぎ目など)が複雑になるため、施工会社との十分な設計調整が必要です。

Q2. アクアフォームはシックハウスの原因になりますか? 現場発泡ウレタンフォームは硬化後に揮発性有機化合物(VOC)の放散量が少なく、アキレス社のアクアフォームはF☆☆☆☆(フォースター)認定を取得しています。一般的には安全性が高い部類の断熱材です。ただし吹き付け直後は換気を十分に確保する必要があります。

Q3. グラスウールは湿気で性能が落ちますか? グラスウール自体はガラス繊維のため水分を吸収しても材料自体は劣化しません。ただし水を含むと断熱性能が大きく低下します。また繊維の間に水分が残ると木材の腐食リスクが上がります。防湿シートと通気層による結露対策を正しく施工することが前提となります。

Q4. 既存のグラスウールをアクアフォームに交換できますか? 技術的には可能ですが、既存のグラスウールと防湿シートを撤去してから吹き付ける工程が必要です。スケルトンリノベーション時であれば合理的な選択肢ですが、部分改修でグラスウールをウレタンに交換するケースは費用が割高になりやすいです。
Q5. アクアフォームとグラスウール、どちらが環境に優しいですか? グラスウールはリサイクルガラスを原料とし、製品自体は不燃材料です。アクアフォーム(ウレタンフォーム)は石油系材料で製造され、廃棄時の処理に注意が必要ですが、長期間の断熱効果による省エネ効果が環境負荷の削減に貢献します。現時点ではどちらが「環境に優しい」かは使用シナリオによって変わります。

条件や施工範囲で費用は大きく変わります。正確な金額は見積もりで確認を リフォーム見積もりを無料で比較する ※ 相見積もりで20〜30%安くなるケースもあります
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てけ
数年前に中古戸建を購入し、リノベーションを実施。 その際に得た知識や経験をもとに、これからリフォームやリノベーションを検討される方に向けて情報発信しています。
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